“生活体力”に自信がありますか?

サントリーは健康を科学する健やかな生活のための「教えて!先生」情報をお届けします。

自分で気づく老化のサイン「“生活体力”に自信がありますか?」

Q

「“生活体力”とは何ですか?詳しく教えてください。」

A

「“生活体力”とは、日々の暮らしに必要な身体能力のこと。中高年になれば持病なども心配ですが、日々の健康レベルを下げたり、活動の幅を狭めたりするのは、病気よりもむしろ老化による生活体力の低下です。そこで、自分の老化度のものさしになる指標と、生活体力を落とさない工夫について、ご説明いたします。」

こんな心当たりがある人は“黄信号”「生活体力」の低下サインはこんなところから始まります。 歩行力:歩ける距離が短くなったり、歩くスピードが遅くなった 握力:ペットボトルのふたが硬くて開けにくくなった 姿勢:姿勢が悪くなってきたように感じる バランス力:つまずきやすくなった そしゃく力:たくあんなどがかみにくくなってきた

生活の中にこそ、老化を知らせる“信号”がある

 いくつになっても、元気に楽しく毎日を暮らしていきたい――。その思いを支えてくれるのが、生活体力です。
 これから先も、要支援や要介護に近づかずに暮らすには、日常の生活動作に必要な5つの身体能力(歩行力・バランス力・握力・姿勢・そしゃく力)の維持が重要で、これが生活体力のバロメーターになります。これらの能力が落ちると、何をするのにも老化を感じ始めます。
 しかし、実は、歳を重ねてもほとんどの人は高い生活体力を維持している、という心強い研究結果があります(下グラフ)。グラフを見れば、65歳以上でも虚弱(要支援)や障害(要介護)になっている人は合わせても約2割。残りの約8割は自立して生活していることが分かります。
 とはいえ、これまでできていたことが年々できなくなるなど、心身の老化を感じることも出てくるものです。上図のような変化を、高齢の人の多くが何となく感じ始めているのではないでしょうか。それらの変化こそ、生活体力の低下を知らせる“黄信号”です。少しでも気になることがある場合は、積極的に心身の機能を補強する時期にきているのかもしれません。
 右の“赤信号”に変わる前に生活体力の向上に努めましょう。

こんな心当たりがある人は“赤信号” 歩行力:横断歩道を青信号の間に渡れない バランス力:片足立ちが左右の足で10秒ずつできない 握力:男性30kg未満、女性25kg未満 姿勢:まっすぐ立っても、壁に背中がつかない そしゃく力:左右の奥歯を両方しっかりとかみしめられない ※監修:柴田 博先生
日本の65歳以上の人々の生活機能*1は? *1:生活体力だけでなく、知的精神的な活動力を加えた日常能力を、生活機能といいます*2:心身ともに生活機能が高く維持されている高齢者のこと※この図は、1980年のシュロックのモデルを日本に合わせてアレンジしたものです

生活体力は、下のような心身の変化と表裏一体

 ところで、どのようにして人は老化していくのか。生活体力が落ちてくると、若いころとは何が違ってくるのか。それを科学的に追究しているのが老年学です。
 数々の老年学の研究から分かってきたことは、生活体力の低下とともに、下図のような様々な変化や不調が複合的に起きてくるということ
 これを「老年症候群」といい、下図の内側にあるオレンジ色の字の“原因”と、外側に挙げた紫色の字の“結果”がいくつも複雑にからみ合って、しかも日々様々な部位に表出してくるのが老年症候群の特徴です。
 このような“原因”や“結果”は、病気や肉体の故障が大きな要因だと思っている人が多いかもしれませんが、実は、その手前で起こる生活体力の低下が、老年症候群のスタートラインになっているということを、ぜひ知っておきましょう。
 老年症候群の先にある虚弱(要支援)、さらには障害(要介護)に近づかないためには、病気を気にかける前に、まず生活体力向上のための工夫を日々継続してください。

こんな変化が増えてきます 前立腺肥大・関節症・骨粗しょう症・腰痛症・睡眠障害・尿失禁・老人性難聴・認知症・白内障・低栄養・血管性疾患・口腔内のトラブル・嚥下障害・褥瘡(床ずれ)・膀胱などの感染症・足のトラブル・骨量の低下・筋肉量の低下・コミュニケーションの減少・栄養不足や消化力の衰え・動脈硬化・かむ力の低下など口腔機能の低下 コラム 疲れをため込まない工夫も大切  歳とともに疲れやすくなるのはもちろんですが、問題はその疲れに鈍感になる心配があること。運動した後、筋肉の痛みを感じるのが数日後だったりしませんか? 自覚がなくても、十分な睡眠や抗疲労成分の摂取など、日ごろから疲労をためない心掛けが大切です。

食事の工夫と運動の継続がますます重要に

 生活体力向上の基本は、やはり毎日の生活習慣です。中でも、毎日の活動を支える食事の工夫と、筋肉や骨を維持する運動習慣の継続は、歳を重ねるほどますます重要になります。
 なぜなら、これまでどんなにいい食生活や運動習慣を続けていても、途中でやめてしまうと、若い時よりも生活体力が落ちやすく、元に戻すのも簡単ではないからです。
 まずは下記の「食生活のポイント10」で日ごろの食事内容を見直し、ウォーキングや、下図で紹介する簡単筋トレを日々の健康習慣にしましょう。ポイントは、無理なくできて、自分にとっていいと思うことを続けていくこと。それが、生活体力を維持し、いくつになっても、元気に楽しく毎日を暮らしていくための、何よりの処方せんです。

できることから始めましょう 食生活のポイント10 ●1日3食をバランス良く摂る ●動物性タンパク質と油脂類を十分に摂る ●魚と肉をバランス良く摂る ●牛乳を毎日飲む ●緑黄色野菜や根菜など多種類の野菜を食べる。果物も適量摂る ●食欲がない時は、おかずを先に食べ、ごはんを残す ●酢、香辛料、香味野菜を活用する ●和風、洋風、中華と様々な料理を取り入れる ●複数の人と食卓を囲む機会を多くつくる ●かむ力を維持するため、義歯は定期的に検査を受ける 毎日の食習慣へ 抗酸化成分もしっかりと  緑黄色野菜に含まれるビタミンA・C・E、ゴマのセサミンなどを摂り、生活体力を奪う過剰な活性酸素に負けない体づくりを。 イスを使った 簡単筋トレ ●両足立ちでのひざ屈伸 10回を目標に イスに座ったり立ったりを繰り返す ●背筋運動 10回を目標に 頭の後ろで手を組み、ひじを張り、上体を前傾させて起こす 生活体力の維持で、いつまでもキビキビと!そのカギは、健康習慣の“継続„です。
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