快眠のためには、生活習慣を整えることはもちろん、毎日の食事や栄養素を見直すことも効果的と言われています。睡眠の質を上げるためには、睡眠を司る「メラトニン」や「自律神経」に働きかけることが重要です。興味深いことに最近の研究で、サプリメントとしても用いられているセサミンとテアニンがメラトニンの減少を防ぎ、自律神経を整えるという報告があります。
「セサミン」とは、ゴマ1粒に1%未満しか含まれていない希少な健康成分。老化と戦う抗酸化作用を持ち、メラトニン量が減少することを防ぎます。 また、セサミンを摂ることによって寝つき・眠りの深さ・寝覚めが良くなることが確認されています。
出典:社内報告書(2021年6月)
平均値±標準偏差、Dunnett's test:*P<0.05(条件②との比較)
実験概要:左から、①メラトニン水溶液(20 μM)、②メラトニン水溶液+酸化ストレス、③メラトニン水溶液+酸化ストレス+セサミン代謝物(10 μM)、の3つの条件における水溶液中のメラトニン濃度を測定した(in vitro実験)。その結果、セサミン代謝物は、酸化ストレス負荷によるメラトニンの減少を抑制することが確認された。
「テアニン」とは緑茶などに含まれる、免疫力に働きかける成分。交感神経と副交感神経からなる自律神経を整え、心身のリラックス効果を高めることで、起床時の疲労感を軽減することが報告されています。テアニンを摂取すると、リラックス作用のある副交感神経の働きが活発になる傾向にあります。
出典:日本生理人類学会誌; 13: 147-154. (2008)(改変)
平均値±標準偏差、Student’s paired t-test (群間の差)
対象者:閉経後の健康な中高年女性(20名)
試験期間:各6日間(L-テアニンを含む食品と含まない食品のクロスオーバー)
L-テアニン200mgを含む食品を摂取した結果、L-テアニン200mgを含まない食品を摂取したときに比べて、主睡眠期全体における副交感神経活動が増加する傾向が確認されました。
さらに日常の生活習慣を見直すだけで、毎日の睡眠は少しずつ良くなっていきます。睡眠不足は長く続けば続くほど解消が難しくなるため、なるべく早く快眠体質づくりを心がけましょう。
監修/
東京家政大学人文学部
心理カウンセリング学科 准教授
睡眠行動科学研究室
岡島 義 先生