ロコモ対策で、動き続ける喜びを

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「ロコモ対策で、動き続ける喜びを」

Q

「話題の“ロコモティブシンドローム”って何ですか?」

A

「いくつになっても自分の脚で歩ける“自信”こそ、明日を輝かせる何よりの原動力。その土台となる脚の健康を支えるのが、ロコモ対策です。今、話題の「ロコモティブシンドローム」、略して“ロコモ”の正しい知識と予防についてお答えします。」

ロコモとは、体を動かす機能が複合的に低下してしまうこと

 全国で予備群を含めると約4700万人もいるといわれている「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」。ロコモティブとは、骨や関節、筋肉など、体を動かす運動器の総称で、これらの機能は、加齢や生活習慣が原因で衰えると、暮らしの自立度が低下して、要介護や寝たきりになる危険性が高まります。
 ロコモの初期症状として特に多いのが、ひざ関節の痛み。長年無意識に使っているひざですが、歩行時には体重の約3倍もの圧力がかかります。その積み重ねで、中高年になるとひざの軟骨がすり減ることにより、痛みを生じやすくなります。
 また、ひざを支える脚の筋肉の量も、加齢とともに減っていきます。脚の筋力が衰えることで、ひざにかかる負担はさらに増え痛くなりやすく、痛いからますます動かさなくなる…という悪循環に陥ってしまいます。まさに“脚の老化はロコモの入口”といっても過言ではないでしょう。

動かないとロコモスパイラルに陥る心配が…
※出典:Yoshimura N, Muraki S, Oka H, et al.: Prevalence of knee osteoarthritis, Iumbar spondyIosis, and osteoporosis in Japanese men and women: the research on osteoarthritis/osteoporosis against disability study. J Bone Miner Metab. (2009)27(5):620-8.

歩くのが遅くなったらロコモの始まり

 歩行速度が低下して、若い時のように速く歩けなくなったなど、下記のセルフチェックの項目に心当たりがある人は要注意。それがロコモのサインです。
 そんな心当たりがあるのに、あまり動かない生活を送っていると、ロコモが進行してしまいます。歩くのがおっくうになってくると、立つのもつらく感じてくるもの。だんだん立つ・歩くなどの日常動作がうまくできなくなると、その先に待っているのは転倒・骨折の危険です。


こんな心当たりはありませんか?   脚の老化セルフチェック

歩行に必要な筋力はこれからでも取り戻せる

 脚の筋肉は他の部位よりも加齢によって減りやすいといわれています。何もしなければ、筋肉量は20歳から80歳にかけて平均約40%減ってしまいます。20歳を100%とすると、80歳には、ピーク時の約60%の脚力で体全体を支えることになります。(右グラフ参照)。
 しかし、体の機能は使わないと低下しやすい半面、使い始めれば、いくつになってもある程度の筋力を取り戻すことができるのも事実。これは多くの研究の結果からも証明されています。本当は、ロコモに近づく一番大きな原因は、“歳のせい”ではなく、歳のせいにして“体を動かさない”ことなのです。

歳を重ねると減少する筋肉量

大げさな運動より、こまめに体を動かすことが大切

 ロコモは、年々じわじわと進行していきます。それだけに、自覚する前からの、あるいは予兆を感じた時からの、日々前向きな予防と生活習慣の見直しがものをいいます。早めに始めるロコモ対策こそ、何よりの「転ばぬ先の杖」です。
 具体的には、まずこまめに動くこと。テレビのリモコンは手が届くところに置かない、こまめに掃除をする、エスカレーターよりも階段を使う…など。こうした「ちょこまか運動」は、思っている以上に有効です。実は、歩いているときには、最大で体重の1.5倍、ジョギングだと約2倍の負担がかかることも。毎日の生活の中で体の使い方を少し意識して、脚の筋肉を維持していくことが大切ですね。
 また、筋肉や関節、骨をつくっているのは、食事で摂った栄養素。栄養バランスの良い食事を基本に、カルシウム、グルコサミンや軟骨成分コンドロイチンなどを補いたいもの。そして、筋肉のために積極的に摂りたいのがタンパク質です。しかし、日本人のタンパク質の摂取量は、年々減少傾向にあります。普段から意識して良質なタンパク源といわれる魚や肉を摂るように心掛けましょう。

よく体を動かす人は、生活習慣病や認知症にもなりにくい
「転ばぬ先の杖」が大事。体を動かし、栄養補給を