脚の老化と股関節の関係

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ご存じですか?「脚の老化と股関節の関係」

Q

「股関節が脚の老化に深い関係があるってホントですか?」

A

「股関節は、体の中心となる骨盤と大腿骨をつなぐ関節で、全身のバランスの支点となるところ。股関節の動きが悪くなれば、歩行のバランスが崩れ、ひざ痛を招くなど、脚の老化が進みやすくなります。今回は、知っておきたい脚の老化と股関節の関係について、ご説明いたします。」

あなたの股関節の状態は?鏡の正面で両手を腰におき、片足立ちをしてみましょう 左右の腰の高さは同じですか?支えている脚はまっすぐですか?軸足は安定していますか? 股関節が硬くなっていると:高さが違う・脚が曲がっている・軸足がぐらつく 股関節がしなやかだと:高さが同じ・脚がまっすぐ・軸足が安定

毎日の基本動作を支える股関節

立つ・座る・歩くなどの起点となる部位
 太ももの骨である大腿骨[だいたいこつ]と骨盤[こつばん]をつなぐ股関節。名前はよく耳にする関節の一つですが、そのしくみや働きについては意外に知られていないようです。
 骨の形を見ると、骨盤の両側に空いたくぼみに、大腿骨の骨頭[こっとう]がぴったりと納まっており、球形の骨頭が前後左右に回せるようになっています(下図)。
 上半身と下半身をつなぐ股関節は、歩行する時の起点となるとともに、上半身の荷重を支え、全身のバランスを保持するという大切な役割を担っています。普段あまり意識することはありませんが、直立二足歩行で暮らす私たちが、立つ、座る、歩く、腰をかがめるといった基本動作を行えるのは、股関節のおかげといっても過言ではないでしょう。

動かさないと可動域がどんどん狭くなる
 普段はこの股関節まわりにある大小様々な筋肉がバランス良く働いて、股関節の動きと骨盤をうまくつなぎ、連動させています。
 ところが、股関節をあまり動かさない生活をしていると、股関節が硬くなり、まわりの筋肉もだんだんと弱くなります。歩幅が狭くなるのも、その一つの表れです。
 さらにこれらの筋肉が衰えると、骨盤をバランス良く支えることができなくなるため、ゆがみが生じやすくなります。上図の「片足立ち」で、左右の骨盤の高さが違っていたら、股関節が硬くなっている可能性があります。

大腿骨と骨盤をつなぐ股関節 骨盤の左右に位置し、「安定性」と「可動性」が常に求められる重要な部位です。

安定した歩行の要は、股関節まわりの筋肉にあり

股関節まわりの筋力低下がひざ痛の原因に
 股関節が硬くなると、まわりの筋肉の中でも急に衰えてくるのがおしりや太ももの筋肉。そうなると、骨盤がゆがみやすくなるだけでなく、バランスも不安定になり、しっかりと歩けなくなります
 歩行は片足立ちを繰り返す動きでもあります。片足立ちをしてみると分かりますが、右脚を上げれば左側のおしりの筋肉が上げた脚を支えています。ところが、おしりの筋肉が弱っているとうまく脚を引き上げられず、体が右に傾いてしまいがち。バランスを取ろうと、軸足がふんばりますが、太ももの筋力も弱いために支えきれず、ひざ関節の内側に負担がかかります(下図)。当然、歩行もぐらつき、ひざの痛みを招きやすくなります。

股関節が硬くなると歩行も不安定に… START→股関節が硬くなる→まわりの筋肉が弱くなる→特に衰えやすいのは、股関節と骨盤をつなぐおしりや太ももの筋肉→おしりの筋肉が衰えると歩く時、脚をしっかり引き上げられない→脚を引き上げられないと体が傾きやすくなり、バランスを取ろうと軸足がふんばる→軸足をふんばるとひざ関節の内側に余計な負担がかかる→歩くたびにダメージが蓄積→ひざ痛を招く大きな原因に!おしりや太ももの筋肉がしっかり働けば、安定した歩き方になります

ぐらつかない、よろめかない下半身の作り方

歩き方を少しずつ整え、股関節や筋肉の回復を
 ぐらついた歩き方になってしまうと、ひざに負担がかかり続けるため、ますます痛みが増す心配があります。そこで、少しずつ歩き方に意識を向け、ひざに負担がかかりにくい正しい歩き方を身につけましょう。そのためのポイントを下に紹介しました。無理をせず、少しずつ歩き方を変えてみましょう。
 続けていくことで、股関節の可動域が広がるとともに、おしりや太ももの筋肉をはじめ、股関節まわりの様々な筋肉のバランスが整い、下半身の動きが安定してきます。
 また、筋肉や関節は食事で摂った栄養素からつくられています。歩いたり、体を動かしたりする習慣とともに、栄養バランスの取れた食生活も大切です。特に、筋肉や軟骨になる成分を不足なく摂取しましょう。

ひざのサポーターも上手に活用 股関節が硬くなった不安定な歩き方は、ひざの痛みを招きます。ひざのぶれを抑え、負担を軽減するために、サポーターを利用するのも一つの方法。正しいフォームで歩けるようになれば、痛みも軽減し、疲れにくくなります。
「正しい歩き方」の6つのポイント 1:目線は先に。眉間から真っすぐにのびた紐を通っていくイメージ 2:肩はなるべく引いて、水平の状態を保つ 3:背筋を伸ばすと、自然に上体が起きる 4:腕を後ろに引き、股関節がしっかり動いて腰から前に出るイメージで 5:かかとから地面に足をつける 6:指先でしっかり蹴り、後ろの歩幅を出す
一歩一歩、着実に。しなやかな股関節と丈夫な脚を育てましょう。