自律神経の乱れと春のめまい

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「自律神経の乱れと春のめまい」

Q

「気候が変わりやすい春は、自律神経が乱れやすいって、ホントでしょうか?」

A

「春は自律神経の乱れによる、めまいなどの不調が起こりやすいシーズンです。なぜ、自律神経が乱れやすくなるのか。どうしてその影響を強く受けてしまうのか。その理由をきちんと知って、はつらつと春を過ごしましょう。」

急激な気圧の変動でめまいなどの不調が起こりやすい季節

気候が変わりやすい春は、自律神経が乱れがち

自律神経が急激な気圧の変動についていけなくなる
 自律神経は、交感神経と副交感神経が交互に切り替わることで全身の様々な働きをコントロールしています。ところが気候が変わりやすい春は、自律神経がスムーズに切り替わらず、体調が不安定になりがちです。
 大きな原因が、気圧の変動です。春になると、日本の上空では寒気団が弱まり、そこに暖かい空気が流れ込んでくるために、寒気と暖気がぶつかって低気圧が多く発生します。その寒気と暖気の温度差が大きいほど、急速に低気圧が発達。いわゆる“爆弾低気圧”と呼ばれる気圧が急に下がる日もあります。
 気圧が下がると、空気中の酸素が薄くなるので体は活動に適さないと判断し、副交感神経優位の休息モードになります。低気圧の日は眠い、だるいと感じるのは自然なことなのです。
 しかし、あまりにも急激な気圧の変動が生じたり、それが度々起きたりすると、自律神経の調整が追いつかず、交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れ、様々な不調が起こりやすくなるのです。

耳や脳の血流にも気圧変化の影響が
 自律神経の働きのバランスが崩れると、すぐにその影響が表れるのが、血流です。血管の収縮と拡張をつかさどっている自律神経の切り替えがうまくできなければ、血流が悪くなり、体の平衡感覚をコントロールする耳や脳の血流も停滞して、ふらつきやめまいが生じます。

自律神経は気候の影響を受けやすい 春は気圧が急激に低下しやすく、自律神経がアンバランスな状態に→そのため、自律神経がつかさどる血管の収縮と拡張がうまくいかず、全身の血流が悪くなる→すると、体の平衡感覚をコントロールする耳や脳の血流も停滞→その結果、体のバランスがうまくとりにくくなり、めまいなどの不調が起きる

さらに年齢とともに自律神経の働きが低下して…

原因として自律神経の総合力の低下がある
 この時季のめまいなどの不調の原因として、もう一つ知っておきたいのが、加齢による自律神経の総合力の低下です。自律神経の総合力とは、交感神経と副交感神経という二つの神経のそれぞれの活動レベルを総合的に見た時の働きの大きさです。二つの神経が切り替わりながら、どのくらいきちんと働いているかどうかを判断します。
 自律神経の働きは、バランスが大切なのはもちろんですが、実はそれだけではありません。
 たとえバランスがとれていても、総合力が高く、双方が高いレベルで交互に働いている(図1)か、総合力が低く、双方ともに活動レベルが低下した状態になっている(図2)かで、心身の調子が全く違います。
 自律神経の総合力が低い状態とは、いわばアクセルもブレーキも利きにくく、うまく進むことも止まることもできない車のようなもの。実際に、年齢とともに自律神経の総合力は低下していくことが、順天堂大学医学部などによる研究調査で確認されています(図3)。

自律神経の総合力と年齢の関係 自律神経の総合力のイメージ 図1:総合力が高い状態 交感神経と副交感神経が高いレベルでバランスよく交互に働いている理想的な状態。 図2:総合力が低い状態 双方ともに活動レベルが低下した状態。疲れやすく、眠りも浅くなる。 歳を重ねるほど自律神経の総合力は低下する 図3:年齢と自律神経の総合力

人によって、体調がさらに不安定に

弱いところにむくみや痛みが出やすい
 また春は、腰痛やひざ痛、肩や背中の痛みなどの持病がある人も、いっそうの注意が必要です。雨の日に、歯ぐきが腫れたりひざが痛くなったりした経験はないでしょうか。春の気圧の急激な変動や年齢のせいで自律神経の総合力が低下すると、体内の水のめぐりが悪くなり、体の弱いところに水がたまって、むくみや痛みが生じやすくなるためです。
 さらに自律神経の衰えにより、血圧の調整力も低下します。そのため、急に立ち上がったりすると、血圧が下がって、脳に血液が回らず、めまいや立ちくらみが起こる心配も出てきます。この季節、自律神経を整えることが、本当に大切ですね。

あわてずに、ゆったりと規則正しい生活を
 めまいが起こった時には、まずあわてないこと。転倒しないように注意しながら、座れる場所へ移動し、らくな姿勢でしばらく休みましょう。
 そして、乱れがちな自律神経を整えるには、ゆったりとした気持ちで規則正しい生活を心掛けるのが基本。食生活や入浴で下記のような工夫を取り入れるのもいいでしょう。また、自律神経の安定には体を動かすことも大切。散歩や軽い運動なども有効な対策になります。

抗酸化成分を含む食材も毎日の食卓に 自律神経の働きがうまくいかず、体調が不安定になれば、老化や病気のもとといわれる活性酸素から身を守るちからも低下してきます。ゴマや玄米、緑黄色野菜など、抗酸化成分を含む食材を積極的に摂りましょう。 39〜40℃のお風呂に約15分 最初の5分は首までつかり、残り10分はみぞおちぐらいまでの半身浴がおすすめです。自律神経が整い、質のいい睡眠を得やすくなります。 リズミカルで手軽な運動を! 自律神経を整える暮らし方 自律神経を整える生活習慣で、ゆったりと毎日を過ごしましょう!