「呼吸って、心と体のバランスを調整する唯一の方法って、知っていましたか。」
普段無意識にしている呼吸ですが、ゆっくりと深く息をしようと意識するだけで、心身の状態は大きく変わります。なぜなら、呼吸は、生命活動を司る自律神経のバランスを調整できる唯一の方法だからです。らくな姿勢で、腹式呼吸を繰り返しながら心と体を調える、江戸時代の禅僧の健康法をもとにした呼吸法をご紹介します。
自分の姿勢は、自分ではなかなか気づきにくいものです。現代人に多いのが、前かがみの猫背型。肺のまわりの筋肉が圧迫されるため、呼吸は浅く短くなりがち。逆に胸を張りすぎて腰が反っている人も、上半身に力が入り横隔膜が動きにくいため、呼吸は浅くなってしまいます。そこで、意識的に横隔膜を上下に動かす腹式呼吸を取り入れてみましょう。
ご紹介するZEN呼吸法は、姿勢を調え(調身)、呼吸を調える(調息)ことで心を調える(調心)、坐禅の「三調」をもとにしています。まずは、正しい姿勢のつくり方から始めましょう。
呼吸は「吐いてから吸う」が基本。深く、長く吐き切ることで体内の残気が排出され、自然に新鮮な空気がたくさん入ってきます。毎日5〜10分行うと、緊張モードに傾きがちな自律神経の働きが安定。体の緊張がほぐれて血行が良くなり、気持ちがリラックス。心もすっと軽くなるでしょう。
1975年生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科卒業。第40代ミス東京第1位。自身の長年にわたる心身の不調を江戸時代の禅の呼吸法で克服し、「ZEN呼吸法」としてメソッド化。東京の代々木、京都の禅寺を中心に一般向けレッスンも開催。著書に『呼吸美メソッド』(双葉社)など。