深い呼吸で「心と体を調える」

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深い呼吸で「心と体を調える」

Q

「呼吸って、心と体のバランスを調整する唯一の方法って、知っていましたか。」

A

普段無意識にしている呼吸ですが、ゆっくりと深く息をしようと意識するだけで、心身の状態は大きく変わります。なぜなら、呼吸は、生命活動を司る自律神経のバランスを調整できる唯一の方法だからです。らくな姿勢で、腹式呼吸を繰り返しながら心と体を調える、江戸時代の禅僧の健康法をもとにした呼吸法をご紹介します。

深い呼吸で心と体を調える

姿勢が悪いと、いい呼吸はできない

 

自分の姿勢は、自分ではなかなか気づきにくいものです。現代人に多いのが、前かがみの猫背型。肺のまわりの筋肉が圧迫されるため、呼吸は浅く短くなりがち。逆に胸を張りすぎて腰が反っている人も、上半身に力が入り横隔膜が動きにくいため、呼吸は浅くなってしまいます。そこで、意識的に横隔膜を上下に動かす腹式呼吸を取り入れてみましょう。

ご紹介するZEN呼吸法は、姿勢を調え(調身)、呼吸を調える(調息)ことで心を調える(調心)、坐禅の「三調」をもとにしています。まずは、正しい姿勢のつくり方から始めましょう。

呼吸は「吐いてから吸う」が基本。深く、長く吐き切ることで体内の残気が排出され、自然に新鮮な空気がたくさん入ってきます。毎日5〜10分行うと、緊張モードに傾きがちな自律神経の働きが安定。体の緊張がほぐれて血行が良くなり、気持ちがリラックス。心もすっと軽くなるでしょう。

心がすっと軽くなるZEN呼吸法をやってみましょう 1、坐骨の真上に上体を乗せるイメージで正しい姿勢をつくる 1:坐骨(お尻の下の出っ張っている部分)を床やイスの座面につけ、背中を壁につけて座る。2:状態の余分な力が抜けて、お尻から頭まで垂直に伸びている状態が理想。 Point:腕は壁につけない。 Point:坐骨2点に上体がストンと乗っているイメージ。 姿勢の正し方 親指と人さし指でL字をつくり、胸の下の突き出た肋骨を押すと、自然に正しい姿勢になります。 Point:肋骨がまっすぐになると、背中が壁についた正しい姿勢に。頭は壁につけるのが理想ですが、苦しければつけなくても構いません。 悪い例:背中が反ってしまうのはNG。 2、腰まわりを膨らませるイメージで腹式呼吸を行う 1:おなかをへこませながら、8秒ほどかけて静かにゆっくりと鼻から息を吐き出す。 2:その後、おなかを膨らませながら、2〜3秒かけて自然に鼻から息を吸う。 3:1と2を繰り返し5?10分行う。 Point:息を吸った時、入ってきた空気で腰まわり全体が前後左右に膨らむイメージ。 呼吸の感覚のつかみ方 和式トイレ座りをすると、上体の力が抜けるため、腹式呼吸がしやすい状態に。吸った息が背中から腰に入ってくる感覚がつかみやすいポーズです。 あぐらを組んで行うのが基本ですが、あぐらが苦手な場合にはイスに座って行ってもいいでしょう。