「副腎疲労」

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 新しい疲れの原因として話題に!「副腎疲労」

Q

「現代人の副腎は疲れ気味。現代社会が生んだ副腎疲労ってどのようなことでしょうか?」

A

あまりなじみがないという方も多いかもしれませんが、
「副腎」は心身のストレスをコントロールしている臓器。
その副腎がフル活動で疲れると、全身に様々な影響が表れることが
近年の研究から分かってきました。アメリカの最新医学で“万病のもと”として
注目されている「副腎疲労」の原因と対策を専門ドクターに伺いました。

副腎が働き過ぎて疲弊すると、全身には様々な不調が!

体を守る小さな臓器副腎

 副腎は、左右の腎臓の上にあるクルミほどの小さな内分泌器官で、生命の維持に関係する多数のホルモンを作り、分泌しています。
 その一つに、ストレスに対処する重要なホルモン(コルチゾール)があります。ひと口にストレスといっても、暑さや疲労などの肉体的なものから、対人関係などの精神的なもの、 また、知らない方も多いかもしれませんが、偏った食生活や空気中のカビ、排ガスなどの化学物質も体には負担になるなど、その種類は多岐にわたります。
 副腎は、これらすべてのストレスに反応して適切な量のホルモンを分泌。ホルモンは血液によって全身に運ばれ、体内に生じる余分な活性酸素による害を抑え、乱れた血圧や血糖などの調整を行っています。
 副腎は、小粒ながら生命活動で重要な役割を担う“働き者”の臓器なのです。
 ところが、ストレスがかかり続けるような生活をしていると、副腎はフル活動でホルモンを作り続けなければならず、疲れ果ててしまいます。
 その結果、副腎で必要な時に適切な量のホルモンを生産・分泌することができない状態が「副腎疲労」です。
 ストレスの要因や感じ方は人それぞれですが、複数の要因が絡み合ったり、自覚のない小さなストレスが蓄積していたりすることもあり、現代人の副腎は疲れ気味。副腎疲労は現代社会が生んだ新病といえるかもしれません。

セルフチェック こんな日々が続いていませんか?
眠っても疲れが取れず、起きるのがつらい。●腸の調子が悪く、慢性的な便秘になる。●かぜや鼻炎、気管支炎などにかかりやすく、治りにくい。●集中力や思考力が低下する。●小さなことでもイライラし、攻撃的になる。●気持ちが落ち込み、やる気が出ない。 当てはまる項目が多いほど、副腎疲労がたまり始めている可能性があります。

副腎疲労を放置していると、心身へも大きな影響が…

 では、副腎疲労が続くと、体の中ではどんな影響が表れてくるのでしょう。
 程度の差はあれ、ほとんどの人が感じるのが慢性的な疲労感。体にこりや痛みなども出やすく、しかもなかなか取れません。
 さらに副腎疲労を放置していると、体の代謝機能も循環機能も免疫機能もうまく働かなくなるなど、その影響は体内の様々なメカニズムにも及びます。
 その結果、生活習慣病が進みやすい、感染症にかかりやすいなどのほか、脳内ホルモンの分泌にも影響が及んで、感情の起伏が大きい、落ち込みやすいなど、心身の健康を脅かす心配が出てきます(下図)。
 なお、副腎疲労が進みやすいかどうかも個人差があります。
 注意したいのは、性格面では“がんばり屋さん”タイプ。生真面目で責任感が強く、完璧主義の人です。つらくて寝床から起きられなくても、「今日は休むのも仕方がない」と気持ちを切り替えられず、 逆に怠けていると思ってしまうため、ますます無理を重ねがちです。
 生活面では、睡眠時間が少ない人、栄養バランスが良くない人、生活が不規則な人、過度に刺激物を摂っている人などの例が挙げられます。
 また慢性的な便秘も、腸内で増えた有害物質が全身に回るため、体にとってピンチの状態に。それが、副腎疲労を進める要因になるので、注意が必要です。

副腎疲労が進むほど、心身の症状も重くなる!
第1段階 自覚していなくても、副腎に負担がかかり始める段階●寝つきが悪い●疲れやすい
第2段階 ストレスに負けないように、副腎ががんばっている段階 ●感情の起伏が大きい●血圧や血糖値が乱れる●不眠になりやすい
第3段階 副腎の疲れがピークに達し、心身の疾患が表れてくる段階 ●体が衰弱する●病気になりやすい●うつ症状が出る
第2段階のうちに、適切なケアをすれば重症化を防げます

頭の中ではどんなことが起きているのでしょう?

 副腎疲労の予防や回復のために大事なのは、まず、自分にとって何がストレスかを自覚することです。
 いつも100点満点でなければいけないと思ったり、必要以上に人に気を使ったりしていないか振り返ってみましょう。そして、時には好きなスポーツや趣味、友人とのおしゃべり、入浴など、リラックスできる時間を楽しみましょう。
 加えて、心掛けたいのが、下記のような生活習慣や行動の見直しです。十分な睡眠と、体にいい食べ物をとることによって副腎が元気を取り戻せば、ストレスから体を守るホルモンもしっかり働いて、一日を良い体調で過ごすことができるようになるでしょう。

こんな心掛けを! 「睡眠」は疲労回復の
何よりの処方せん 副腎が疲れている時には十分な睡眠が必要です。時間が許すなら朝もゆっくり起きましょう。日中に疲れを感じたら昼寝もおすすめです。ストレスによる害を抑える
「抗酸化成分」をしっかり緑黄色野菜に豊富なビタミンA・C・E、ゴマのセサミンやお茶のカテキンなどのポリフェノールはその代表。ストレスによる害を抑えます。
「がんばり過ぎない」勇気を持つことも大切 一人で抱え込んでがんばろうとせず、周囲の助けを借りる、ストレス源に近づかないなど、考え方と行動を切り替えることも大切です。
十分な睡眠と食生活の工夫で、“働き者”の副腎をいたわりましょう!